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えっ、こんな会社がこんなことを⁈

皆さんはJT(日本たばこ産業)と聞くと、なんの会社だと思いますか?
何聞いてんのって苦笑いされそうですね。
はい、もちろん社名の通りタバコの会社です。
ですが、世はまさに禁煙ブーム。
タバコを吸えるエリアは限られ、条例で禁止されているエリアもあります。

私が新卒の会社員の頃は、雲の中で仕事をしているようでした。
喫煙者が堂々とデスクでタバコを燻らしていて、手元の灰皿に置いてはまた吸いを繰り返していました。
喫煙者の割合も多く、家に帰る頃には髪の毛から服からタバコ臭くて嫌になったものです
こんな有難い時代がくるなんて思ってもみませんでした。

話を戻しましょう。
現代は喫煙者が減ったために、JTがタバコだけで売り上げをあげていくのは厳しいです。
そこで四季報をパラパラとJTのページを開いてみてください。
なんて書いてますか?

海外たばこ事業
国内たばこ事業
医療
加工食品

もちろん主力事業はたばこ事業ですが、医療と加工食品でも、しっかりと利益を生み出しています。

注意すべき点は、かつて国営企業であった株式は、依然として国有比率が高い場合があります。
リスクとして、完全民営化を図るため、市場に売り出されるタイミングによっては、

株価下落の一因になる可能性がある点です。

旧国鉄のJR、ゆうちょ、NTT等もこれに当たります。

話を元に戻して、例えばソニーといえばエレクトロニクスと思われるでしょう。
もちろんエレクトロニクスも健闘はしていますが、稼ぎ頭はゲームであり、

音楽、金融、エレクトロニクスのおよそ4本柱です。

楽天ですと、一般にはEC事業の楽天市場を思い浮かべる方が多いと思います。
こちらも稼ぎ頭は、フィンテック事業で銀行、保険、証券、カードといった金融です。

セグメントというところで、どんな事業で稼いでいるのかがわかります。
表面的な経済活動だけを見ていると気がつかない企業活動を知れば、実体が見えてきて非常に面白いです。
大企業といえども、時代の変化に対応すべく、形を変えて永続的発展を目指して日々努力している姿が垣間見えます。

ソニーも楽天も金融自由化を機に、一気に銀行の牙城を崩しに来て、シェアを奪い取っているわけです。
時代の変化に即応性が無ければ、あとは衰退して規模をどんどん縮小していくしかなくなります。
攻め込まれた側も、他の分野、他のセグメントを育てていかなければ生き残れないわけです。

我々消費者にとっては、様々な既得権益が緩和され自由化することで競争原理が働きますから、

より便利によりコストパフォーマンスの良いサービスが受けられるという利点があります。

昔の日本企業は、株式持ち合い、護送船団方式でお互いに支え合いながら成長してきましたが、

世界的に、それでは通用しないのです。
株式持合い解消からもうかなりの年月が経ちますが、この大きな変化、株主価値をたかめること、

ROEを高める経営を実行出来ている日本企業は、まだまだ少ないと感じます。